ご挨拶

~ 2025年の決意 ~

政治家を志し、女性のための政治スクールで学んだのが2002年。選挙には「地盤、看板、かばん(お金)」が必要と言われていましたが、普通の人が選挙に出られるようにならなくてはならないと、翌年勤めていた外資系企業を辞めて、江戸川区議会議員選挙に立候補しました。
時代が変わり、選挙のあり方も変わってきて、さまざまな方が立候補するようになり、女性の候補者も多くなりました。

でも、変わっていないことも多くあります。
私が初めて実父と会ったのは26歳。物心つかない頃に母が離婚、そして小学生のときに再婚。今でこそ、珍しくなくなりましたが、幼い頃は、姓が変わることが嫌でした。成人して、私自身が離婚、再婚をしたことから、合計4回も姓が変わりました(現在5つ目の姓)。自分は誰なのか、自分の家族は誰なのか、アイデンティティを探して、「民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を実現したい」という政治への思いは、未だ国で実現されずにいます。

2022年10月、私を含む3名の都議会議員が都民ファーストの会を除名されました。理由は、「東京都中学校英語スピーキングテスト」の実施に反対したこと。都立高校入試にこのスピーキングテストの結果を活用しますが、このテストは、不公平で、不公正であり、公平で公正でなければならない入試に活用することは到底できないテストなのです。
何らかの理由でスピーキングテストを欠席した生徒にも得点付与がされますが、都立高校入試の学力検査における英語の点数が近い前後10名程度の平均点が付与されます。平均点ですから、当然受験した生徒の中には、平均点より低い生徒がいるわけです。
しかもそのグレードは4点刻み。4点も違えば、当然合否に影響があります。欠席した生徒が受験した生徒よりも高い点数を付与され、都立高校入試の合否に影響が出るなんて、あってはならない話です。
このテストはおかしい!と声をあげたら、除名されました。

2025年の今、民主主義が崩壊していくことを感じています。
他人と意見が違うことは当たり前で、違っているからこその社会だと考えます。時代は変わり、多様性が重要視され、外国籍の方や、障がいがある方、性的マイノリティの方など、さまざまな立場の権利を尊重する方向になってきていますが、今も尚、変化や違いを「受け付けない」人がいます。
民主主義とは、多数決がすべてではありません。方法として多数決で決めたとしても、その際に少数意見にも耳を傾け、調整していくことが民主主義です。
反対する人は、排除して見せしめにする。同じ行動がとれないなら、仲間ではない。
こうしたことがまかり通っている今は、旧い時代と何も変わりません。

忌憚のない都民の意見を聞きたい。多くの人の声を採り入れられる仕組みが東京都には必要です。そのために、まずは情報公開、そして意見聴取の仕組みを変えていく。年齢制限はいらない。多くの人の声を聞くためにできる限り広告を含めた広報戦略を展開する。いちばん大切なことは、都民がつくりあげるべき。都民の未来は、都民が決めるべきものだから。

私、田の上いくこは、46歳で初めて子どもを産み、54歳の今、小学3年生を抱えて、ひとりで子育てをしながら、仕事と政治活動に向き合っています。かつて、千葉から車で通い、子育てを手伝ってくれていた母は、もはやひとりで江戸川区に来ることができなくなりました。年老いた父とふたりでお互いに老々介護状態です。
子どもも頑張ってくれていますが、お弁当を忘れてしまったり、学童保育の終了時間に迎えが間に合わなかったり、泣きたくなる日々です。
ダブルケアの大変さ、ワンオペの辛さ。介護や子育てで仕事を辞めなくてはならない・・・と考えてしまう葛藤など、身をもってわかります。
好きなことをして、思う存分働いて、自由に動いていた時期が懐かしいです。まったく思うように活動できない状況ですが、それでも、必要だと思ってくださる方がいるなら、私はできる限り最後まで闘い抜く所存です。

人の痛みに寄り添った政治を。
それぞれの価値観を大事にする政治を。
かくしごとのない政治を。
公正な政治を。
都民の未来を都民が決めることができる、当たり前の政治を実現してまいります。

田の上いくこ

2025年4月
田の上いくこ

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