ご挨拶
~ 2023年初志を振り返って ~
政界を志したのは、2002年の秋でした。早いもので、20年以上が経ちました。
円より子参議院議員(当時)の「女性のための政治スクール」に出逢い、「普通の人でも選挙に出ることができる」とおしえていただき、また、「『普通の人』こそ、日々の中でおかしいと感じるものを訴えていくべきである」と、江戸川区議会議員選挙に挑戦し、初当選したのが2003年4月です。
「民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を実現したい」という当時からの思いは、まだ国で実現されずにいます。マイナンバー制度でも同様ですが、時の政権や一部の政治家の思想で制度を変更し、国民も変更を強いられるのではなく、各人のくらしに係るものは、「選択できる」ようにしなくてはならないのではないでしょうか。
昨年10月、民間テストである「中学校英語スピーキングテスト」を都立高校入試に活用することに反対し、都民ファーストの会という政治団体から除名処分を受けました。
TOEFLやTOEICなど、民間テストを受けてそれを評価につなげたい場合は、英語という教科の範囲の調査書点の一部に換算するというのならわかりますが、英語スピーキングテストそのものを20点満点の調査書点にし、英語のみの点数配分が格段に増え、他の科目が得意な生徒が不利になるという仕組みでした。また、20点評価も規則性がなく、欠席をした生徒が学力検査で近い点数の生徒たちの平均点を与えられるため、実際に受験した生徒よりも点数が高くなってしまうケースがあります。
公正な採点をしなくてはならない入試に活用するには、とても無理で、入試の専門家もこぞって反対しました。
しかも、イヤーマフをしていても周囲の生徒の声が聞こえてしまう、他人の声が録音されてしまうという現場での問題が頻発したのにも拘わらず、都教委は「大きな問題はなかった」とし、中学生で習わなかった文型を出題したことも「問題はない」としました。
こうしたテストの導入に対し、立ち止まることも、検証もせずに強引に都立高校入試に活用することは、中学生のためとは思えず、他に利権があるのではないかと思われても仕方ありません。
東京都では、その他にも当事者をないがしろにして進めていく施策があまりにも目立ちます。対話を拒み、情報を隠し続けます。
「都民ファースト」や「東京大改革」はどこへ行ってしまったのでしょうか?
天下りを適正化し条例化している東京都では、都庁官僚が退職後も都の政策連携団体などの要職に再就職していきます。
公文書の情報公開請求をすると、見事なくらい真っ黒に塗りつぶされた公文書が出てきます。いわゆる「のり弁」です。最近は「黒でなく白にするように」と命があったようで、「白塗り」の情報公開で、相変わらず何も読めません。
情報公開は、都民が客観的に判断できるようにするためのものであり、「公開」が基本であることは言うまでもありません。「見える」政治を目指すのであれば、情報公開と行政改革が必要であることは言うまでもありません。
いつの間にか、隠しごとだらけの都政になってしまいました。私は原点に返り、都民本位の政策を実現するため、これからも闘っていきます。
普通に、当たり前だと感じるものが実現できる政治になりますように。
2023年7月
田の上いくこ