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経済・港湾委員会(産業労働局) 議事録

2011年06月27日

被災者の雇用 2011.6.27

今回の補正予算では、震災後のあらゆる視点からの対策が中心ですが、雇用就業対策では、8億5千万円が計上されています。私は、被災者の生活再建において雇用・就労が重要であると考えております。宮城県南三陸町の仮設住宅では当選した被災者の2割が辞退したと報道されています。避難所で支給される食事の打ち切りや日常生活の不便さによるものが理由です。私もまさに南三陸町で仮設住宅に家電を搬入するボランティアをしてきたので、空き部屋がたくさんあるという事実は残念ですが、食べること、お金を稼ぐことはまさに生活の原点であり、こうした状況も至極当然のことと思います。そこで質問をいたします。

(1) 東京都では、最後の避難所とも言えるグランドプリンスホテルが6月末で閉鎖されます。ここには味の素スタジアムなど各地の避難所から集まってきた方々が多くいました。ホテル閉鎖後は、都営住宅や職員住宅などに移る方々の他に、都内の旅館・ホテルなどに移られる方々もいます。「都内宿泊施設を活用した避難者支援事業」では、2,100人ほどを対象とし、10億1千6百82万4千円を計上していますが、都営住宅よりも旅館・ホテルを希望される方々も多いと聞いております。その理由には、やはり食事の問題があるようです。確認ですが、こういった旅館・ホテルで食事の提供はどのように設定されているのか、またどれくらいの期間を滞在すると想定しているのか伺います。

(1)- 2 都では、民間住宅の借り上げも考えていると発表がありました。しかしながら、先ほども申し上げましたが、居住できるだけの施設があっても、食事も満足にとれない、生活をするための雇用が安定しないということであれば、希望しない人もいるのではないかと考えます。一人ひとりの生活の安定に向けて、早期に雇用促進に取り組んでいく方針をお聞かせください。

(2) 「宿泊施設を活用した避難者支援事業」は、観光産業振興の事業となっていますが、雇用就業対策と併せて適切に対策していただきたいと考えます。今までは、グランドプリンスホテルなど一か所に多くの被災者が滞在していましたが、今後は、それぞれが別々の地域に、場合によっては1家族であったり、数人ずつであったりして、都営住宅や旅館に移るわけです。産業労働局の所管である宿泊施設に移った方々に就職の情報がきちんと行き渡るように工夫をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか?

(3) また、就職にあたっては、やはりしっかりした住所があることが基本ですが、雇い入れ先に被災者の方々のメンタル面も含めて個々の事情を理解していただくことも必要です。採用後のアフターケアも含めて取り組みについて、ご見解をお聞かせください。

(4) 「緊急就職支援事業」では、先程来出ておりますが、被災者が6ヵ月以上就業した場合、企業に対して原則60万円の雇入助成金が設定され、受け入れ企業側にも配慮した制度となっています。「緊急就職支援事業」については、どれくらいの期間を見越しての事業となっているのでしょうか?
(5) 5月末には避難者向け合同就職面接会が2か所で実施されました。東京労働局が中心となって行われているようですが、産業労働局が行政としてのイニシアティブをとって、より多くの企業や職種をリクルートできるよう努力すべきと考えます。国とはどのような役割分担をしてきたのか、また今後の面接会では、どのように工夫をしていくのかお考えをお聞かせください。

(6) 私のまわりでも、この機会に避難者を雇用したいという企業や飲食店がたくさんあります。しかしながら、就職面接会はじめどのように募集を行えばよいのかわからないという方々が多くいます。事業主に対し、どのような告知をしていくのでしょうか?

(7) 東京しごとセンターだけでなく、地域のハローワークなどと連携して、広く周知してほしいと思いますが、いかがでしょうか?

・被災者の雇用に理解のある企業による求人を効果的に開拓していくためには、国などの関係機関と連携するなど、様々な機会を捉えて周知を行っていくことが重要。
・このため、都は、東京労働局、経済産業局など国の機関や職業紹介事業者団体等からなる協議会の場を活用し、被災者向けに実施する就業支援策の周知についての協力を関係機関に働きかけていく。

(7) 各自治体にも協力を働きかけるなど、さまざまな工夫ができると思います。是非広く周知していただけるよう要望します。
例えば、避難所としてのグランドプリンスホテルは、都市整備局の所管ですが、ここには、就職者を募るチラシがたくさん貼られています。ハローワークの求人票ではなく、手作りのチラシもたくさんありました。
局や部署などの垣根を越え、また、受け入れたい側の善意をできるだけ活かすよう積極的な告知のサポートをすべきと考えますが、いかがでしょうか?

中小企業支援機関等との連携など、新しい取組みを評価しています。
何においても、被災者の生活再建においては、雇用・就業が要です。産業労働局が重要な役割を担っていることを認識して、しっかりと取り組んでいただきたいとお願いをして質問を終わります。