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経済・港湾委員会(中央卸売市場) 議事録

2012年09月08日

豊洲新市場予定地について 2012.11.8

① 10月26日の公営企業決算特別委員会で中村議員の質問に対し、土壌汚染対策費10億4,198万円の24年度への繰り越し理由は、東日本大震災の復興の妨げになる懸念と改正土壌汚染対策法による土壌の移動にかかる制約から予定地内での資材の保管場所の確保が困難となったとのことでした。具体的に土壌の移動が困難になった改正土壌汚染対策法による制約とはどんなものなのか伺います。

 区域指定されている市場用地の5街区、7街区にすでにある盛土を6街区に運搬・仮置きをするためにスペースがなくなり、遮水壁などの鋼材の一括調達ができなくなったとのことです。以前より指摘させていただいていますが、盛土の調査だけは、仮置き前に現位置で行っておけばよかったのではないかと思います。市場用地内でも指定区域外への移動は法の規制を受けるとのことです。土壌汚染対策法の区域指定は、10メートルメッシュごとに行っているため、まばらになっています。今回の盛土の移動に伴って、運搬ルートとして新たに区域指定をした部分が5街区、7街区にあるということでよろしいですね。6街区ははじめからすべて区域指定にしてあるということですね。もし、間違っていたらおっしゃってください。

② 土壌汚染対策法に基づく調査と土壌汚染対策工事中に新たに実施している調査がいくつかありますが、3月公表分と9月公表分の後、いつ残りは公表されるのか(6街区のみ?)伺います。また終了した5街区7街区において、A.P.+2m以下の土壌汚染対策工事は現在進められているのか伺います。

 6街区の調査については、工事の進捗に合わせて行うとのことですが、いつ行ってもよいというものではないと思います。土壌汚染処理のプラントは6街区に設置されていますが(面積の4割)、6街区の調査は、プラント以外の部分で先に始められるものもありますが、面積の約4割を占めるそのプラントが片付かないと始まらないし、終了しないということす。つまり、5街区、7街区の土壌汚染対策が終了しなければ、未実施の調査に到らないということです。対策の遅れを懸念いたします。

③ 調査で地下構造物が支障になった際に、汚染の拡散のリスクは生じないのか伺います。

 実際に地下構造物を取り除くのは、工事の際であり、現在調査でぶつかる構造物は、大きなものではないのでそのまま掘っているということかと思います。汚染拡散させないことももちろんですが、しっかりと調査を進めるにあたり、無理のない方法をとっていただきたいと要望します。

④ 帯水層の底面、すなわちYc層の上端を確認しているかという質問は今までにも再三させていただきました。「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」では、難透水層の地層の厚さが50cm以上で連続していることが必要です。都は8本のボーリング調査の他、建設局や水道局で行った100本を超えるデータを基にコンター図をつくってきたという説明でした。ところが、すでにあるデータから見ても、50cm未満の箇所が複数あります。こういった状況から、ガイドラインで勧められている第二帯水層まで掘る必要があるのではないかと考えますが、見解を伺います。

 絞り込み調査などの千本を超えるボーリング調査は不透水層を確認したもの」ではないですよね。難透水層の地層の厚さが50cm以上であることに加え、その地層が連続して分布することが、帯水層の底面が存在すると判断する要件であることは以前も申し上げました。もし、柱状図1,338本が難透水層を確認するものであるならば、環境省ガイドラインにより、粘性土層の厚みが50cmであるかも確認されているはずですが、確認できていないところが278ヶ所【コアサンプル裁判陳述書より】ありました。

 「ガイドラインに基づき作成した分布図」とは既に公表されていますか?また、帯水層の底面の試料採取調査は土壌汚染対策法に基づく調査【施工規則第8条第2項のニ】ですから、各区画の帯水層の底面位置を判断出来るのは指定調査機関ですが、指定調査機関が帯水層の底面を示した図表があるのでしょうか?

 9月13日に公表された、底面管理[2深度確認]ではベンゼン113ヶ所に対し68ヶ所(60%)、シアン化合物37ヶ所に対し、16ヶ所(43%)で 難透水層付近以深から汚染が検出しています。
この汚染検出頻度からして、そもそも地質の確認が不十分だったのではないかと申し上げます。

⑤ 9月28日の経済港湾委員会の岡田議員の質問に対し、調査は、不透水層を貫通することのないよう、確認しながら作業を進めていると、突き抜けたということはないと答弁されていました。5街区のYc層は、ご存じのように浅い位置にあり、A.P.-5m程度の深さまでとなっています。9月に公表した追加調査では、Yc層より深いYs層やEs層にも汚染が見つかっています。難透水層を突き抜けているということだと考えますが、伺います。

 市場のHPには、地質断面図があり、ボーリングNo.7と8の部分がちょうど5街区にあたります。5街区のほとんどは、A.P.-5mまでがYc層となっております。
二深度確認が未了の箇所については、何とも言えませんが、例えばL37のあたりでも深い部分に汚染が見つかっています。Yc層より深い部分は砂層です。つまり水が通りやすい地層ですから、汚染は水平工法にも広がっている可能性があります。こうした汚染の可能性、不透水層の厚さについて、しっかりした説明がなければ理解できるものではありません。
指定調査機関からの報告を受けているとのことですが、どこの指定調査機関なのか、報告書を含め公表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

⑥ 3月の予算特別委員会でも質問しましたが、底面管理調査で環境基準を超えるヒ素や鉛であっても土壌含有量が基準に達しないものは自然由来としていました。環境省からの通知や専門家の見解からYc層内で検出されたヒ素と鉛は、二深度分のみの調査にしているものです。3月、9月の調査を併せて、含有量も基準を超えたが、分布特性、すなわち局在性が認められないために、二深度確認をしなかった地点は何か所あるのでしょうか?

⑦ 自然由来かどうかの判断は、どなたが行ったのでしょうか?

 ヒ素が土壌汚染対策法上の有害物質として手続きが進んでいるのに、自然由来かどうかの判断は、指定調査機関が行わなくてもよいのですか?

 9月に清水議員も質問していましたが、かつてヒ素を使った施設があることもわかっているのに、その判断が正しいのかどうか疑問ですし、土壌汚染対策法所の調査判定としては不十分ではないかと申し上げます。

⑧ 新市場予定地の建物の実施設計はわかりませんが、複層の建物だということです。どのような利点から複層の建物になったのでしょうか?各棟の建物は何階建てなのでしょうか?

 公営企業決算特別委員会で中村議員が建設スケジュールに触れたときに、答弁で「建物の階数を低減することなどにより工期短縮を図っていくこととしている」とありました。これは、業界との調整のなかで階数を低減するということが決まったということでしょうか?

⑨ いつ実施設計が明らかになるのでしょうか?

⑩ 本来は23年6月に基本設計が策定され1年間かけて周知されるはずでした。ところが基本設計すら公表されず、基本設計と実施設計を一体のものとするとしています。当たり前ですが、業界との調整をするには基本設計がなくては話し合いになりません。先日の公営企業決算特別委員会では、計画通知の事務経費957万円は時期を見直し、24年度に再計上したとのことでした。答弁の中では、「既に今年度、6街区の水産仲卸売り場棟の計画通知を提出しており、今後順次必要な計画通知を提出する」とのことです。6街区の計画通知はいつ提出されたのでしょうか?

 そもそも実施設計が出されないまま、基本設計さえ公表されていないのに、計画通知が提出されているというのはどういうことなのでしょうか。
日刊食料新聞では、10月5日に予定されていた新市場建設懇談会が延期され、施設整備計画案が話し合われなかったとされています。つまり、業界の合意が得られないまま、計画通知が提出されているということではないでしょうか。
もし、すでに提出されているもので合意が得られない場合は、都は再提出をするのでしょうか?伺います。

 先日のご答弁にもありましたが、計画通知とは建築基準法に基づき、都道府県等の建築物について、建築工事等に着手する前に検知器基準関係規定に適合するかどうか、建築主事の審査を受けるための手続きです。計画通知は提出されてから、通常6ヵ月程度、最低でも3ヵ月は審査にかかります。中村議員も質問していましたが、もちろんTWO案件としての入札手続にも40日以上が必要であり、時間がかかるものと思われます。6街区水産仲卸売り場棟の建設工事は今年度中に着手ということで、そのような時期に提出されたのだと推測しますが、もし再提出となれば、建設スケジュールに影響がないとはとても言えないと思います。見解を伺います。