議会質問
都議会質問 意見陳述 文書質問 意見書可決経済・港湾委員会(中央卸売市場) 議事録
都議会質問 2010年09月09日
環境アセスについて
① 土壌汚染対策の内容については、まだ議論が必要ですが、11月に豊洲新市場建設業の環境影響評価書案が発表されました。まず、今後この評価書がどのような過程を経て都市計画決定されていくのか、スケジュールをおしえてください。
② 評価書案には、新市場建設事業の目的は書かれていますが、環境影響評価の目的は書かれていません。改めて伺いますが、環境影響評価の目的をご説明いただけますか?
③ 7月に盛土の汚染の報道があり、その後の技術会議で今後盛土についても汚染の調査をし、見つかった場合は処理をするということになりました。10月の特別委員会で盛土の土壌汚染調査の費用について質問をしたとき、「詳細設計において盛土調査の具体的な方法を設計して算出する」。また、対策についても、「具体的には今後の詳細設計の中で検討する」というお答えをいただいております。今後の調査・対策であるはずの盛土ですが、環境影響評価書案の中では、A.P.+4.0mから上の土壌の対策、すなわち盛土の対策が掲載されています。これはなぜでしょうか?
繰り返しになりますが、技術会議で、新たに100立方メートルに1か所25物質で調査することを決めています。7月に盛土の汚染が報道されたときに、安全だ、健全土なので、埋め戻しだと市場が言ってた盛土に対して皆不安になったんです。それに対して、今後調査していくという技術会議での確認があったから、一定の安心感を得たわけです。
今の答弁によりますと、念のため行う調査・対策なので、もともとの詳細調査で見つかった30地点のみの対策を書いておけばよいという認識なのでしょうか?
④ 盛土の調査・対策を過小評価している。以前調査計画書では、5年だった工期を今回の評価書案では4年にしています。これは建設工事と土壌汚染対策の工期です。盛土の調査・対策については考慮に入れていないですよね?つまり、はじめから費用や時間がかからない、たいしたことがないと考えているのではないでしょうか?
そもそも評価書案をつくるのが早かったのではないでしょうか?これから盛土の調査・対策を詳細設計で考えていくのに、アセスが先行して行われることは適正なのでしょうか?
結局、先ほどの盛土部の調査で汚染が検出されるおそれはないと考えているとおっしゃっていました。汚染対策の実験のときに仕様書どおりに行わず、工法をはしおったのと同じで、形だけの調査であり、結果ありきのものになるのではないかと考えます。ご意見があればお聞かせください。
⑤ リスクを考慮に入れず、形式的に調査・対策を行うことが都民の健康な生活を確保することにつながるのでしょうか。
地盤や風環境など外の項目では「予測に反映しなかった措置」として、今後考慮に入れることを記載していますが、なぜこの盛土の調査・対策は「予測に反映しなかった措置」として掲載しなかったのでしょうか?
盛土は、6街区には一部ではあるものの、5街区、7街区は全部です。単純にならして考えれば、A.P.+4.0~6.5mの厚さ2.5m分です。その調査・対策がその文言でカバーできるとは思えません。
盛土の対策では、汚染土壌(約3,000立方メートル)を掘削する、とか、許可施設の受け入れ基準を超える濃度の汚染土壌(約400メートル)については、仮設土壌処理プラントに搬入し、処理するとか書いてあるのですが、具体的な処理量が書いてあり、これは、詳細調査ですでに見つかっている30か所を基にしたものです。本来であれば、今後の調査によって対策量が変わってくることも考えられるわけです。そういった考慮は見られません。
都民の意見の中に「都民が評価書案を読んで理解することを可能にするために、どの汚染物質の処理はどの処理法かその処理法はどの方式を採用したかをきちんと説明するようにしてください」最大限公開性を確保してほしい旨が掲載されているのを見つけました。都民は縦覧されたアセスを基に判断をするわけです。簡単に済まされてしまっては困ります。
⑥ 調査計画書の修正では、細かな変更の他に、知事からの意見書を取り入れて修正がされています。都民からの意見は修正に取り入れられていないのでしょうか?
調査計画書の修正表(10-1)は、調査計画書の修正箇所、修正事項、修正内容及び修正理由の概要としてつくられています。ここでは、事業計画の変更により修正した数字の変更などの他、都知事の意見書による追加しか書かれていません。都民からの意見書が6件、周知地域区長からの意見が2件ありますが、内容が書かれているだけで、修正には至ってはいないのではないでしょうか。以前都知事が技術的な反論はまったく聞こえてこないとおっしゃっていましたが、この調査計画書の意見だけ見ても、土壌汚染や地下水対策や地盤、大気汚染など技術的な指摘もたくさんあるではないですか。
⑦ 今まで、再三にわたり土壌汚染対策や実験方法について議会質問も重ねてきました。こうした意見は土壌汚染調査や対策などにまったく反映されずにきました。
では、今後のことを聞きます。環境影響評価の流れでは、公示・縦覧など順次行われていくわけですが、都民からの声はどのように取り入れられ、反映されるのでしょうか?
先ほどの調査計画書に対する意見も排除するものではありません。
都民の意見、議会の意見も含め、土壌汚染・地下水汚染に不安や懸念があるからこその指摘であり、不足や問題点があるからこその指摘です。否定的なものはすべて排除ではなく、どうしてそういう指摘があるのか考えてきちんと受け止めるべきです。
先程盛土の調査・対策について、開場スケジュールに影響が出ないよう土壌汚染対策工事の詳細設計において検討していくとおっしゃっていましたが、都民が懸念しているのは、26年度中に開場できるかではなく、食の安全・安心です。開場に合わせて、調査・対策の期間を短くすることを望んでいる人はいるのでしょうか。そのことを主張しまして、質問を終わります。