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各会計決算特別委員会(港湾局) 議事録

2011年09月21日

「十年後の東京」改定方針では、都市の活力を取り戻し、アジアのヘッドクォーターとしての地位を確立することが掲げられ、京浜港は、その大きな戦略のひとつでもあります。停滞している日本経済の安定のために、陸・海・空の運輸交通ハブ基地になれるかという質問もこれまで議会でされてきたところであり、今後も継続し展開していくことと認識していますが、22年度決算においても、関連する項目として、三港連携事業の実施、中央防波堤外側コンテナ埠頭整備などが計上されていますので、22年度の動きについて課題を焦点化し、今後につなげるべく何点か質問をしてまいります。

1、東京港としてのさらなる発展はもちろんですが、アジア諸国の著しい成長の中、日本の港湾そのものの貨物が減少傾向である中、京浜港としての広域連携事業を推進することが求められます。まずは、平成22年8月に京浜港が国際コンテナ戦略港湾に選定され、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。

2、京浜港としては、国際競争力の強化、特に釜山港との競争が掲げられて取り組まれてきたことと思います。10年程前には、釜山港とのコンテナ貨物取扱量の差は釜山が4割程度多いとされてきました。また、近年の釜山の取扱量も増えていると聞くところですが、現状はどのようになっているのかお聞かせください。
釜山をはじめアジアの港の躍進は著しく、依然釜山港を経由していく貨物の集荷の課題があるものと思います。京浜港連携協議会において策定した「京浜港の総合的な計画」も先月いただきましたが、日本が国際競争から遅れることのないよう三港の強化に向けた取り組みを行っていただきたいと思います。

3、平成20年3月の基本合意を経て、東京・川崎・横浜の三港の連携が強化されました。これまで三港の連携は、多々行われてきましたが、首都圏のみならず、東日本、あるいは日本海側をも視野に入れて国内集荷を強化すべきと考えます。貨物集荷力の強化において、事業者に対する働きかけはどのように行ってきたのでしょうか?

4、国際トランシップ貨物など貨物集荷力を強化するためにも、コスト差を小さくすることが必要であり、荷役料、ターミナル費用、船舶関連費用等の港湾コストの縮減が大きな課題でありました。そこで、東京港埠頭株式会社では、取扱貨物量に応じてリース料を割り引くインセンティブ制度を導入するなど取り組みがありましたが、東京港埠頭株式会社の経営努力に関して、港湾局はどのように評価されているのでしょうか?
国の強力なバックアップのもとで大胆にターミナルリース料を低減している釜山港などアジア主要港と対抗していくためには、限界があり、利用者に選んでもらうための料金設定を目指さなければなりません。

5、更なるコスト縮減のために、都ではどのような取り組みを行っていくのでしょうか?
日本の輸出入貨物の99.7%は海上輸送であり、輸出入の玄関口は港湾です。なかでも京浜港は日本で最大のシェアを有するのですから、国としても国際戦略の重要な位置づけをしていただき政策展開をしてほしいと考えます。
国際戦略として取り組みを強化するためには、ソフト面のみならず、ハードの側面が整っていなければなりません。震災時においても、東京港の港湾機能に支障が生じることなく、都民生活や産業に大きな影響を与えないようにしていくことが肝要です。今年3月11日の東日本大震災では、災害対策の強化の必要性が高まりました。東京港の防災力の強化について何点かお伺いします。

6、東京港においては、耐震強化岸壁を有する中央防波堤外側コンテナターミナルの整備が進められていると聞いておりますが、国の基準に合わせた耐震強化岸壁として整備しているのでしょうか。また、東京港での耐震岸壁の整備進捗状況について伺います。

7、震災後、原発事故による放射能の影響により、海外から日本への寄港、あるいは日本の船の入港が拒否されるような事例はあったのでしょうか?
コンテナの放射線測定も行っていたかと思いますが、風評被害を払拭するよう継続的な取り組みおよび情報公開をお願いいたします。

8、平成23年1月~6月の東京港の取扱量は外貿コンテナで3.4%増とのことですが、前述の原発事故、もしくは震災による直接的な影響はなかったのでしょうか?

9、震災により、すでに外国から到着しているコンテナ貨物の引取りが滞ったとも聞いていますが、震災後であっても効率的な運営のために、今後どのような取り組みが必要とお考えか伺います。

震災対応としての取り組みとして理解いたしました。京浜港として貨物取扱量増加を目指す一方で、東京港でコンテナターミナル処理能力の限界が見えているというのは、今後の課題のひとつでもあります。今後海外からの大型船に対応するためにもターミナル整備が必要だと考えます。また、搬出入車両の渋滞緩和のための交通対策も貨物滞留の課題のひとつだと思いますので、道路整備にも対応していただきたく要望をいたします。
一通り質問してまいりましたが、これから東京港をはじめとする京浜港が日本の港湾機能はもちろん国際物流の重大な役割を担うものです。東京都が先導し、国がさらにバックアップするような取り組みを期待して質問を終わります。