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経済・港湾委員会(中央卸売市場) 議事録

2011年09月02日

(1) まず、11月の委員会で伺ってはっきりしたお答えをいただけなかったものから質問してまいります。第八次卸売市場整備計画の際に、土壌汚染対策について農林水産省にどのように報告をしていたかを伺いました。当時環境確保条例の15年指針もあったのですが、13年指針で対策をしたということで報告をしたのかどうかを伺いました。そのときには、「当時、都の職員が農林水産省に出向きまして、説明していることは確認してございますけれども、そのやりとりの内容につきましては、正確な記録が残っておりませんので、大変申し訳ございませんが、正確なお答えはいたしかねます。」とのご答弁をいただき、農水省が土壌汚染対策法もあるのに、法律未満の対策の報告で「よし」としたのかどうかは大変重要なこととして、再度「今後お調べいただきたい」と要望をしたところです。この13年指針での対策をきちんと報告しているのか否か、お調べいただけたのでしょうか?伺います。

(2) 盛土の調査と対策については、今までにも質問をしてまいりましたが、詳細設計の中で示すとされてきました。そろそろ詳細設計も出来上がると聞いておりますが、24日の予算特別委員会の答弁では、「現在実施している詳細設計において、埋め戻す前に調査を行うことを前提に、具体的な手法等を検討し・・・」とされていました。「埋め戻す前」というのはどういう意味でしょうか?そもそも、盛土については、技術会議で「健全土」とされ、一度掘削して仮置きし、汚染土壌の処理後に埋め戻すとされていました。健全土でない盛土を調査・対策前に掘削して仮置きするようなことはないですよね?伺います。

(3) そもそも、盛土の汚染は東京ガスの操業地盤面から上位50cmで採取された結果、1,146地点のうち30地点で見つかったものであります。汚染原因は、降雨による地下水位の上昇なのか、搬入土が先に汚染されていたのかわからないわけです。当然に地表面に向かって採取をしていかなくては、原因はわかりません。技術会議の資料では、「土壌汚染対策時に盛土の汚染状況を確認しながら、汚染物質を除去していくこととしている」となっていますが、盛土を仮置きするのなら、状況把握は当然できません。ご見解を伺います。

(4) 土壌汚染対策では、操業地盤面から深さ2m分の土壌は掘削除去、またA.P.2m以下は汚染部分のみ除去となっており、かなりの量の土壌が掘削されることになっています。改正土壌汚染対策法で、汚染土壌の運搬処理に関して、特定有害物質の飛散防止等のため、指定区域外に搬出するためには許可施設を有する土壌汚染業者が行うこととされています。技術会議の報告書では、「ガス工場操業時地盤面から2m下までの土壌は、全て入れ替えることとしているが、健全土等については、都内の他地域等の埋め立て用材等として活用する」としていました。昨年11月の質問の際には、詳細設計の中で考えていくとおっしゃっていましたが、どのようになったのでしょうか?

(5) 土壌汚染対策法を改正するときに、掘削除去に関しての懸念が背景にありました。「搬出された汚染土壌の処理に関して、残土処分場や埋め立て地等における不適正事例や土地造成における盛土材料に汚染土壌が混入していた事例が顕在化している」と、国の答申案である「今後の土壌汚染対策の在り方について」をはじめ多々指摘されています。新海面処分場は、これらの施設にあたらないのでしょうか?

(6) 今までにも申し上げていますが、表層土で見つからなかった物質は、深度方向に調査されませんので、「健全土」とされているものにも他の物質が入っている可能性があります。概況調査でシアンが見つかっても、深度方向の調査で他の物質を調査しないので、シアン以外のものは見つからないということです。技術会議では、健全土として埋め立て用材に活用するとされていましたが、方針は変わらないのでしょうか?

(7) 操業由来の汚染について、先の予算特別委員会では、地下水の2年間のモニタリングをし、「形質変更時要届出区域」の指定解除をすると答弁がありましたが、結局は指定の解除は開場の条件とせず、汚染の区域のまま開場するということです。先日、鹿野農林水産大臣が独自に安全性を確認すると記者会見で発言していましたが、まず、こうした形での開場が可能かどうか疑問であると申し上げます。いずれにしても、2年間のモニタリングは土壌汚染が除去されたかどうかを判断するものです。汚染が完全に除去されなければ、残った汚染から汚染物質が溶出します。モニタリングの結果、地下水に汚染が確認されたとしたら、再度詳細の調査を行い、汚染原因を特定し、除去工事を行わなくてはなりません。掘削除去はもとより、特に微生物による現位置浄化では、地下水での確認が汚染除去の判定になります。2年間のモニタリングを待たずに、建物を建設した場合、汚染原因の調査、対策が出来なくなりますがいかがですか。

(8) 社団法人 土壌環境センターに問い合わせたところ、2年間のモニタリングで解除が出来ず、再調査、対策している例は少なからずあるとのことです。当然ながら、どんな事業であっても、汚染が浸み出てくると思って対策し、モニタリングしているはずはありません。少しでも汚染が残る可能性を考えたときに、建設前にモニタリング期間を設けるべきであります。24日の予算特別委員会の答弁で岡田市場長は、「新市場予定地における土壌汚染対策は、法を上回る綿密な調査の結果に基づき、操業に由来する土壌及び地下水の汚染を、すべて環境基準以下へと浄化するなど、市場用地としての安全、安心を十分確保するものである」と言いきっておられました。汚染が局所的であることや、地下水が動いていることについては、再三指摘してきたところです。万が一、モニタリングで汚染が発覚した場合は、建設物も撤去してでも対策する覚悟がおありなのか、伺います。

(9) 改正土壌汚染対策法の範囲となるヒ素や鉛など自然由来の汚染については、11月の委員会の時に質疑させていただきました。封じ込めを行うので調査も対策も行わないというご答弁でした。また、自然由来の物質が残るがそのままにして、指定区域の解除ができるのかと再三伺ったときにはお答えがありませんでしたが、3月24日の予算特別委員会では、土壌汚染対策法の「形質変更時届出区域」の指定が残ると答弁をされていました。指定が残るのですね。そこで伺いますが、調査・対策をするつもりがないということは、そもそも将来に亘り、指定区域の解除を目指すつもりがないのかでしょうか?改めて伺います。

(10) 改めて伺いますが、今後の汚染対策の範囲は何によって決まったのでしょうか?東京都の絞り込み調査と深度方向の117条調査ということでしょうか?

(11)東京ガスの汚染対策は、環境基準値の10倍以下のものには手を付けずに終わっていました。<図> これは、専門家会議の第一回目の配布資料で、東京ガス対策後の土壌汚染分布断面図です。自然由来のヒ素や鉛については11月の委員会のときお示しいたしました。このピンクの部分が東京ガスが対策をせずに残っている環境基準以上、環境基準10倍以下のところです。東京都の対策では、操業地盤面からA.P.+2mまでの2m分は掘削除去、つまり土壌をそっくり入れ替えるわけですから、A.P.+2mより下の部分は残ります。横に深さを表す数字がありますので、ご参照いただければと思います。A.P.2mより下の部分は、都の対策では概況調査で汚染が発覚し、深度方向の調査で進んだ部分のみ掘削除去になっています。東京ガスの調査は、30メートルメッシュ、東京都の対策は10メートルメッシュ。さらに、以前より何度も説明していますが、10メートルメッシュのうちのコップ3分の1杯分が必ずしも思い通りに汚染個所にヒットするわけではありません。東京ガスの残置汚染を都の対策で除去できる割合は、3割程度。シアンでは、19地点のうち把握できていいるのは5地点のみ、ベンゼンは13地点のうち4地点のみ。つまり残り7割は、環境基準以上の汚染が残ることになります。市場長は、土壌はもちろん地下水中の汚染も環境基準以下にすると答弁し、「形質変更時要届出区域」は、地下水の2年間のモニタリングで確認し、解除するとのことでしたが、操業由来の汚染除去として見ても、残置されるわけですから、そもそも解除できないのではないかと考えます。いかがでしょうか?

(12)この間、市場は、「法の求める対策をはるかに上回るものであり、市場用地としての安全・安心を十分確保するもの」と言い続けています。しかしながら、東京都が行う対策は本当に手厚い対策なのでしょうか。平成21年4月14日に環境委員会で参考人として招かれた社団法人土壌環境センターの方が、全体の土壌汚染調査の件数の80%から90%が自主的な調査が行われているとおっしゃっています。そして不動産鑑定評価基準運用上の留意事項が土壌汚染対策法の指定区域外についても非常に大きな影響を与えた、つまり盛土や封じこみ対策では指定区域の解除ができず、不動産鑑定上では「キズもの」として扱われるので、一気に掘削除去をしてきれいにしてしまうということです。つまり、一般的に9割が採用しているのは、完全に除去する方法であり、法以上の対策は当たり前。それどころか完全に除去しなければ不動産価値がなくなってしまうので、お金をかけて掘削除去する。都のように汚染を残して封じ込めをするというのは、かえって珍しいのではないでしょうか。市場長がおっしゃるように、手厚い対策であるなら、なぜ一般的に行われている程度の対策ができないのでしょうか?最低限、操業由来も自然由来も見つかっている汚染部分は除去するべきではないですか?ご見解を伺います。

国土交通省の「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項」を確認しましたが、「対象不動産について、土壌汚染対策法第3条に規定する土壌の汚染の状況について調査義務が発生しているか否か」や「土壌汚染対策法第5条に規定する指定区域の指定がなされているか否か、又は過去において指定区域の指定の解除がなされた履歴があるか否か」などが記され、つまり、指定解除できないことは「価格形成に重要な影響を及ぼす」と評価しなければならないことが記されてます。これが、安全・安心な豊洲市場の実態です。

(13)ニュ―ジーランド、クライストチャーチの地震では、道路が砂混じりの水たまりのようになる現象が発生。4.8km四方に広がる液状化が問題となり、車が泥に埋まっている様子さえ見られます。クライストチャーチの砂が多い地盤と地下水が地震の力によって混ざり合ったものとされています。専門家会議の平田座長が触れていたかと思いますが、汚染対策か液状化対策、どちらかを完全にしなければ、安全とは言えないと考えております。豊洲の地盤については、ご案内かと思いますが、有楽町層に砂の層があり、液状化対策想定深度は約17mになります。平成21年12月の特別委員会でも「平成十八年の地盤解析データの液状化の予測」の図を用いて説明させていただいております。東京都の対策では、A.P.+2m以下について、液状化対策がとられることになっています。砂質土層が厚いところは、砂杭締固め工法、砂質土層が薄く、表層に近い場合は、格子状固化工法を使用するとされています。5街区では、有楽町層までが浅いとして格子状固化工法をとるとされ、経費削減のために全面固化ではなく、格子状固化にされたと認識しています。しかしながら、江戸川層内部の砂層まで液状化判定が出ているのですから、半分にも及ばない対策になっています。専門家会議の報告書案に対する意見募集の中に都の回答が書かれていました。「地盤改良工事等により、液状化による土壌・地下水の噴出を未然に防止します。万一、液状化により土壌や地下水が噴出しても、土壌や地下水は浄化されており問題ありませんが、念のため噴出した土壌や地下水を採取・分析し、問題のないことを確認します。」当然に、汚染除去がされている前提だと思います。ところが、先ほど申し上げたように、操業由来の汚染、自然由来の汚染も残置されるわけですから、液状化が起こった際には、汚染が噴出すわけです。どのように対策されるのでしょうか?

(14)震度5強に対応するレベル2で設計されているのは、建物がありますが、外構部分はレベル2ではないはずですよね。耐えられるのでしょうか。汚染対策か液状化対策、どちらかを完全にしなければいけない。液状化対策が難しいのであれば、汚染対策をしっかりと行わなければなりません。どちらも中途半端な対策と認識しています。汚染対策を見直さないなら、液状化対策を見直すつもりはないのでしょうか?

技術会議の議事録も拝見しましたが、食の安全・安心と言いながら、経済性などの効率を重視しながら進めてきたのが東京都の対策だと考えます。それで安心できるものならよいですが、そもそも見つかっているところさえも対策しないわけです。都民の台所であるならば、本当に都民の食を考えていただきたいと申し上げて質問を終わります。