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各会計決算特別委員会(建設局) 議事録

2011年09月26日

不法係留船舶

河川は、私たちの生活に身近なものです。私の地元の江戸川区では大小いくつもの河川があり、河川敷でのスポーツ利用があったり、子育て世代から高齢者にいたるまで自然と親しめる親水公園などがあります。昨今東京都は、隅田川のテラス整備をはじめ、緑豊かで親水性に配慮した工夫を取り入れ、魅力的な水辺空間の創出に取り組んでいます。また、最近は東京スカイツリーの開業を控え、観光のための新たな舟運ルートの開発をしようという動きもあります。これら賑わいあふれる「水の都」東京の再生、舟運の発展のためには、秩序ある水面利用が大前提であり、治水、船舶航行の支障、環境、景観への悪影響を及ぼしているプレジャーボート等の不法係留船対策が重要となってきます。そこで何点か伺います。

1、 都では、「東京都船舶の係留保管適正化に関する条例」制定後、放置船舶対策を計画的に展開することを目的に「東京都船舶の係留保管適正化計画」を策定し、平成22年5月に計画の改訂版が発表されました。この間どのように取り組まれ、また不法係留船舶の数に変化があったのかどうか伺います。
条例制定後の積極的な取り組みにより、昨年よりさらに削減され、不法係留船がほぼ半減したことは一定の効果があったと評価するものです。今後も引き続き不法係留船対策への積極的な取り組みをお願いいたします。

2、 条例では、災害時の避難・輸送の確保、また、騒音・悪臭他安全性の低下で住民生活が阻害の防止、そして港湾における船舶の経済活動を確保するための区域として適正化区域、またその中でも重要性及び緊急性から特に船舶の排除すべき区域として重点適正化区域とされ、8河川がそれぞれ指定されたとのことでしたが、具体的には、どの河川が適正化区域、または重点適正化区域として指定されているか伺います。

“重点適正化区域に指定されている河川が多いことから、今後も継続する課題だと見受けられます。今までの経緯を見ますと、悪質なケースにおいては、行政代執行を実施するなど大変なご苦労をされていることと認識しております。当然ながら、不法係留船舶の所有者に対して適正化を促すためには、必要な河川に区域指定を実施し、しっかり取り組むことが必要です。一方、行き先のない船舶の保管の課題もあります。ご答弁では、適正化は規制強化と収容施設の整備という両輪で実施しているとのことでした。

3、 そこで、以前より東部エリアを除き、放置船舶数に対して係留保管施設が不足しているとされていましたが、係留保管施設の確保に関して、建設局はどのような認識なのでしょうか。お伺いいたします。

4、私の地元江戸川区には新中川や旧江戸川等の河川がありますが、これらの河川がある東部地域については、どのような取り組みを考えているのでしょうか、改めて伺います。

江戸川区では、区が管理する新左近川マリーナがあります。不法船舶を移動させるなどの試みも行われてまいりましたが、廃止の方向性を打ち出しており、行き場のなくなった船舶が増大すると考えます。(延長650m、64,600㎡)区内には、都が適正化のために整備した新中川、旧江戸川の暫定係留施設がありますが、それだけでは受け皿として不足が生じるのではないかと懸念をしております。
不法係留船舶の適正化を推進するためには、係留保管に必要な施設数を確保していくことが大変重要ですので、新左近川マリーナの廃止に伴う係留船舶の受け入れについては、今後とも江戸川区と綿密な話し合いをしていただき、適正化への支障が生じないよう万全を期していただきたいと要望いたします。
3月11日の震災以降、台風被害等もあり、都民の防災及び水辺環境の保全に対する意識は非常に高くなっています。不法係留船による環境悪化、災害時の事故及び非難、輸送等の航行上の支障への対策においては、これまで以上に積極的な取り組みをお願いしまして、次の質問に移ります。

スーパー堤防

東京都では、隅田川や神田川をはじめ潤いのある「水の都」への再生を目指し、その一環としてスーパー堤防事業が進んでいます。コンクリートの直立堤防から、緩傾斜型堤防の整備が進められ、防潮堤としてだけではなく、背後の建築等の市街地再開発や公園の整備に合わせて、水と緑の空間を活かしたまちづくりとして実施されているものと認識しております。

1、 平成22年度に進められたスーパー堤防整備を行った河川と区間をおしえてください。(繰越事業と本年度事業それぞれ)また、スーパー堤防の全体計画として今後予定されている区間も併せておしえてください。

2、 22年度に進められた事業には、隅田川のテラス整備などもありましたが、どのような目的でスーパー堤防化されたのか伺います。

3、 都のスーパー堤防では、背後地のまちづくりと一体的に事業を整備されていますが、土地区画整理事業と併せて行われているケースはどれくらいあるのでしょうか。
再開発事業と併せて行われる場合もあると思いますが、今のところは、宅地などが含まれる整備がなく、土地区画整理や用地取得などの必要性がなかったのかと思います。建設局では、道路や河川、公園などの公共事業に伴う用地取得を円滑に行うため、土地所有者等への生活再建資金貸付や代替地提供などの「生活再建対策」に要する費用を計上していますが、22年度スーパー堤防事業実施においては、この費用も活用されていないものと認識しています。国の事業との一体的事業の例として、私の地元江戸川区北小岩一丁目地区で行われようとしている土地区画整理事業があります。土地区画整理事業でありながら、用地先行買収が行われ、通常の区画整理とは異なり、元の土地に戻らない人々が多くなり、まだらに公共用地が存在する状況となっています。どんな事業においても住民負担を最小限に抑えることは重要と考えております。

4、 事業を進めるにあたっての住民説明会等、住民の合意を得るためにどのようなことをされているのでしょうか。
土地区画整理事業等を伴わない事業になっているため、開発者が主体となって住民協議を進めているものと理解しますが、治水事業を行うことでコミュニティが分断化されることのないよう地権者が複数になるなど必要時には十分な話し合いをしていただきたいと要望いたします。

5、 改めて国のスーパー堤防事業との違いを伺いますが、国の事業では、裏の法面を堤防の30倍の緩やかな勾配でつくり、3%程度の傾斜となります。それに対して、都の事業では、堤防の裏法面が60m程度と認識していますが、なぜこの違いは生じるのでしょうか。
国のスーパー堤防は越流した場合にも本体が壊れないよう幅を広くし強固にするものということです。東部地域は遊水地とされ、越流も前提としてスーパー堤防を進めるのであれば、盛土部分、裏法面の利用については慎重にしなければなりません。越流しても流れる際には幅があるので、ゆっくり流れるのだと思いますが、3%の傾斜をつけた法面をわざわざ土地区画整理で住宅にするのではなく、公共用地としていくような取り組みがあってもよいと思います。高齢社会になるなか、傾斜とは言え、実際は段々のようになっていくわけで、高齢社会になっていくなかで坂道や階段を有した住宅地を極力避ける知恵と工夫がなければなりません。
一方、都のスーパー堤防は、防潮堤として既に高さがあるものを活かしたまま耐震対策及び親水性などに配慮した環境整備を行うものということだと思います。スーパー堤防は、堤防全体を高規格化する、つまり連続した高さにしないと治水効果を発揮しないと言われていますが、都のスーパー堤防は成り立ちが異なるため、連続した高さは維持したままつくられるということもわかりました。

6、 都のスーパー堤防事業は、都市計画法に基づく事業として行っているのか伺います。
国が行うスーパー堤防については、平成6年の旧建設省通達(平成6年建設省都計発第146号、建設省河治発第85号)により高規格堤防整備と市街地整備の一体的推進を図るため、計画段階から都道府県都市計画担当部局及び河川管理者の間で十分な連絡調整を行うことや河川及沿川整備のマスタープランを定め、これに基づき計画的に整備を進めることなどが掲げられ、都市計画として行うことが多いと認識しています。都の場合は、これにあたらないためかと思います。

7、 江東内部河川では河道整備が行われてきましたが、建設局では、どういったところをスーパー堤防で整備し、どういったところを河道整備と選定しているのでしょうか。
建設局は、中小河川や低地河川など、河川の特徴や地形に合わせて対策を実施していると認識しております。スーパー堤防においても、適所で進めていることと思いますが、治水の中心は住民であることを忘れずに実施していただきたいと思います。
これまでの質疑で、都の行っているスーパー堤防整備は、今のところ住宅地を巻き込むようなケースがないということがわかりましたが、今後土地区画整理事業等を伴う整備になる場合は、慎重な手続と十分な説明・話し合いにより、住民負担を抑えるようご尽力いただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。