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厚生委員会(病院経営本部) 議事録

2012年09月28日

今後の都立病院のあり方について

・外国人の未収金について

(1) 外国人の未収金について質問します。まず、今回の報告書の中で経営上の課題として、未収金の課題があげられていますが、都立病院全体ではどれくらいになるのか、また過去と比較して増加しているのかどうか伺います。また、その内外国人における未収金の金額と割合はどれくらいになりますか?

 未収金自体は前年度と比較して減少したということです。2011年の公営企業会計決算特別委員会で同じ会派の吉田議員が質問した時には、外国人の割合がわからないとのことでしたが、今回は調査していただいたようで、ありがとうございます。いずれにしても2億5400万円とは、かなり大きな金額であります。全体の2割を超えました。

(2) 外国人の医療機関利用の場合、吉田議員ご指摘のように他人の保険証を使用するなど悪質なケースもあるかとは思いますが、国民健康保険などに加入しないままに緊急のケースで搬送されるまたは外来で訪れる場合もあるのではないかと推測いたします。外国人が日本の公的医療保険制度を知らないということはあるのでしょうか?また、保険証の提示をしなくても、自己負担なら診療を受けられるわけですが、外来で訪れた場合、外国人の方にも事前にそういった説明をしているのでしょうか?

 自治体にも確認しましたが、外国人登録証明書を申請するときに国民健康保険等についての案内をしていると聞きます。日本の健康保険制度は、標準月額や報酬に保険料率をかける仕組みなので、加入することがどれほどの負担になるのかわかりませんが、観光などの短期滞在、短期留学、短期就労以外の長期滞在では、加入をするほうがメリットであると考えます。保険証の提示がなければ、全額負担になるということも事前に説明した上で、未払いになるというのは、不法滞在など正当な手続きを経ない在留で自己負担がそもそも無理であった、もしくは医療の応招義務を利用した悪意のケースであった場合がほとんどではないかと思います。

(3) 3年前住民基本台帳法の改正があり、入管法等改正法の施行に合わせて、今年7月から永住外国人に対しては、外国人登録証明書が廃止され、特別永住者証明書というカードが交付されるようになりました。ある意味、短期の在留なのか、永住なのかは、見分けやすくなったと言えます。どうしても医療費の徴収ができない外国人の場合は、せめて身分証明を確認し、国籍のある国の大使館に請求するということも可能かと思いますが、ご見解を伺います。

 本人確認は行っているとのことです。当然ですが、照会をしたときに、他人の保険証であったとか、身分証明書であったとかいうことのないように、まずはしっかりと本人確認を行っていただきたいとお願いいたします。
大使館への医療費請求に際し、支払いができないという回答であったとのことですが、どういった理由で拒まれているのかがわからないので、何とも言えませんが、もし制度上の課題であれば、制度改善を国に働きかけしていくことも必要です。年間で2億5千万円を超える外国人の未収金の内、国ごとでは内訳がいくらになるのかわかりませんが、国によっては、大きな金額になることと思います。

(4) 救急で搬送された場合、日本人でも一人暮らしで身寄りがなく、さらに意識がないなどお金を動かすことができず支払いが滞るケースがあると思いますが、日本人の場合は、判断能力が不十分な方々を保護する成年後見制度を利用することができ、任意で難しい場合は、区市町村長の申し立てによることもできます。外国人の場合は、どのようになっているのでしょうか?
*裁判所は、成年被後見人、被保佐人又は被補助人となるべき者が日本に住所若しくは居所を有するとき又は日本の国籍を有するときは、日本法により、後見開始、保佐開始又は補助開始の審判(以下「後見開始の審判等」と総称する。)をすることができる。

 これにも当然にきちんとした身分証明が不可欠ですが、入院する期間が長い、症状が重いとなれば、日本人と同様に成年後見制度を利用することも必要です。先ほども申し上げましたが、住民票に登録が可能になった方もいますので、活用していただきたいと思います。
医療機関としては、「正当な事由がなければ、診療の求めを拒んではならない」という応招義務があることも承知しておりますが、都立病院の未収金は、一般会計からの繰り入れにつながり、都民の税金負担となります。日本人の患者に診療費未払いに請求をしていくことはもちろんですが、同様に外国人に対しても、徴収努力が必要なのは言うまでもありません。未払いの2割強が外国人であるということは、社会問題の変化も含めてショッキングなことであります。病院経営本部には、認識を持って未収金の解消にさらなるご尽力を要望させていただきます。

・墨東病院について

(5) 墨東病院の診療圏は220万人と他と比較しても多く、高齢化率は17.5%となっていますが、今後も高齢化は進んでいくものと思われます。区東部は、今なお臨海部の人口増が続いています。一方で、報告書の中では区東部における医療資源の不足も指摘されています。こうした中、病院の経営力強化で、医薬品等材料費のコストの見直しなどは必要だと思いますが、病床運用の効率化、早期退院の促進だけでは解決しない課題があると考えます。報告書では出口戦略の強化を掲げていますが、区東部における都立病院以外の病床数は、どれくらいあるのでしょうか?診療科目ごとに充足しているのかどうかおしえてください。

 区東部保健医療圏における病床数としては、墨東以外で7,306床とのことです。基準病床数と既存病床数が同じとのことで、十分な病床数であるというご認識なのかと思います。しかし、その一方で報告書では、病院数・医師数ともに都平均、全国平均を下回り、厳しい状況であるという見解も書かれています。また、診療科毎の基準病床数は、人口や患者動向、病床利用率等を考慮するため定められていないとのことですが、地元の医療機関等でいろいろな話を聞く中で、例えば精神科など不足している診療科もあるのではないかと推測いたします。

(6) 出口戦略では、医療機関だけではないと思いますが、療養施設や在宅の場合の訪問看護ステーションなど、区東部の地域資源をどのように認識しているのでしょうか?NICUの場合は、退院支援モデル事業としてNICU入院児支援コーディネーターが地域の関係機関との連絡・調整をしていたかと思いますが、こういった仕組みを他の診療科目にも広げていくお考えはあるのでしょうか?

 地域資源としては、訪問看護ステーションの数など必ずしも充足しているとは言えないと思います。是非密な連携と情報交換により工夫をしていっていただきたいと思います。また、高齢化の進行により医療福祉相談室において退院支援機能を強化していく必要に触れていただきましたが、効率だけが先行しないよう、退院機能強化という意味では、あらゆる資源の活用を検討できる体制をつくっていただきたいとお願いをいたします。

(7) 視察で確認させていただいたところ、墨東病院の職員定数は23年度、24年度でほとんど変わりありませんでしたが、非常勤の勤務医等の数は増えているのでしょうか?

 正規職員は増えていないけれども、非常勤は増えているということかと思います。非常勤の方がいないと、対応できない状況が伺えます。また、非常勤の補充では、間に合わないという声も聞くところです。外来数や入院数などに見合う職員配置として適宜見直しをしていただきたいと要望いたします。

(8) 墨東病院にERが開設されて10年になりますが、報告書では「待てない急性期医療」を中心とした病院であり、「待てる急性期医療」は他の医療機関との役割分担であるという文言があります。しかしながら、本当に役割分担できるのか疑問があります。地域に初期・二次救急に対応できる病院はどれくらいあるのでしょうか?また、区東部の医療圏は都全域の平均と比べどのような状況となっているのでしょうか?

 0.25と0.22を比較してどうかというと難しいのですが、平均して少ないということだと思います。

(9) 墨東病院は救急車の出動が年間1万件を超え、救命センターの利用は都内で1番多いと聞きます。ERでは、当直で系列数を増やし、6名の医師が常勤する体制を整えたり、設備では、救急診療科の設置をしたり、救命救急センター初療室を1室から2室にしたり、救急病棟の病床を5床から10床へ増やすなど、さまざまな努力を重ねてきていることは評価いたします。しかし、ERだけに集中することもできず、墨東がこのままの救急の受け入れ態勢を続けることには無理があり、改善が求められます。地域連携を進めることが大変重要ですが、地域の医療機関との話し合いはどのように行われているのでしょうか?

 重要なのは、今後墨東では初期・二次救急をどうするのか、地域の医療機関の協力でその役割分担を明確にすることで本当に可能なのか、それともERの機能の拡充とともに初期・二次救急の対応も強化するのか、方向性をどのようにするのかということだと思います。今回の報告は、病院別の分析が1-2ページずつしかありませんが、是非個々の事情に合わせた方向性を打ち出していただきたいと思います。

(10) 最後に、新棟の開設で、墨東病院はどのように変わるのか伺います。

 医療機能の強化について、丁寧にご説明いただきました。救命救急医療の強化や感染症医療の強化も含めて行われるということで、期待しております。今回の質問では、区東部の人口、患者に対して墨東病院の受け入れは十分なのか、機能できるのかという懸念をするものですが、基幹病院として期待する思いからです。安全で質の高い医療を目指しているものと認識していますが、地元では、診療の忙しさゆえかサービスに対して疑問の声も聞くところです。安全で安心な医療を目指し、さらなる改善に取り組んでいただきたいと要望をいたします。